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ロサンゼルス在住です。アメリカ生活のあれこれ。

【米企業就職2019】米企業から、オファーを身も蓋もなく取り消された話

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こんにちは。Chihiro(@chihiro_in_NY)です。

今日は、この1週間でのジェットコースターのような私の人生についてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

1.OPT応募の今年(2019年)の状況について

アメリカ 留学についてある程度知識のある方なら知っているかと思いますが、アメリカの専門学校、短大、大学、その他認定された教育機関で学位をとった場合のみ、留学生でもOPTOptional Practical Training)という資格を申請し、自分の専攻に関連している分野であれば、会社員 (またはフリーランス)としてアメリカで働くことができます。

STEM (Science, Technology, Engineering, and Mathematics) という日本でいういわゆる"理系"の分野の学位を取った人は最大で3年間、それ以外の学位の人は1年間の就労機会を与えられます。

OPTの申請は、学校を卒業する90日前からUSCIS (United States Citizenship and Immigration Services) という米国市民権・移民業務局に向けて行う仕組みになっています。

そしてUSCISに送付した書類に不備等なければ(通年であれば)90日ほどで自宅にEAD Card (Employment Authorization Document Card)という労働許可証が届き、それに記載されているOPT開始日以降であれば勤務可能開始となります。

 

しかしここ最近はトランプ政権の移民政策などの影響によりEADカードの発行にかかる時間が長くなっており、留学生が長い間待たされているケースが増えているようです。去年(2018年)は比較的早かったようで、私の友達2人は去年申請してから75日、86日ほどでカードをもらっていたようです。

 

2.インターンシップを開始できない

以前にブログにも書きましたが、私は大学院在学中の最終セメスターのうちから、卒業後は一刻も早くOPTで働き始めるために4か月ほど時間をかけて必死に就職活動をしました。合計で200ー350ポジションほど(120社ぐらい?)に応募して電話面接や対面での面接を受け続け、ようやく卒業間近の5月末ごろに、憧れだったマンハッタンの環境コンサルの大企業に夏期インターン生としてオファーをもらうことができました。

しかし、その企業から「6月3日から働いてほしい」と言われた時点で私の手元にEADカードはありませんでした。

 

 

 

私のOPT開始日に合わせて、「6月17日ごろにはカードが届くと思うから、インターンの開始日をそこまで変更してほしいと連絡すると、人事ディレクターと相談する」と返信が。そして私の希望通りに6月17日開始という内容の正式なオファーレターが届きました。

 しかし、インターン開始の数日前になってもまだカードが届かないので、その旨を企業に連絡すると、「EADカードなしで働かせると違法になってしまうから、あなたはまだインターンを始めることができません。カードが届いたら連絡して下さい」、と言われてしまいました。

6月17日の時点で申請書類の受理から81日を過ぎており、通年であればもうカードが届いても良いぐらいの日数は経過していました。 

 

ここでもかなり落ち込みましたが、とにかく早くEADカードを手に入れなければ!と動き出すことにしました。

 

 

 

3.できることは全てやった

EADカードについて詳しく情報が載っており参考にさせてもらったのがこのサイト。

chloeglobe.com

 

このブログに沿って私もUSCISに直接連絡を取ってEADカードのExpediteを申請(カードのプロセスを早めるための申請)をしたり(拒否された)、Ombudsman、Congressman、US Senatorに連絡を取りました。

 

このブログは2018年の1-2月ごろの情報ですが、私がトラブっていた2019年6-7月と違う点が2点ありました。

 

それは、

今はUSCISのオフィスを訪問することができなくなっている
ウェブサイトを見ても予約できません、Walk-in(予約なしで直接オフィスに行くこと)も受け付けません。と書いてありました。

 

■ EAD Card Processing Time 

USCISのウェブサイトでEADカードのProcessing Time が2018年は75days- 90daysなのに、2019年は90days - 150daysになってた。これは、もう絶望しかないぐらい長いです。。。

 

そして、OmbudsmanからはUSCISのウェブサイトに書いてある通常の処理期間内なのでExpediteは受けられません、と返信が。Congressman、US Senatorも似たような感じでUSCISからあんまりいい返事をもらえなかったようでした。今年は相当時間がかかっている異常なケースしかExpediteプロセスは受け付けてもらえなかったのかな?と思いました。

こんな状況ではいつ企業からオファーをキャンセルされてしまうか分からないと不安になってきた私は、大学の留学生オフィスにもExpediteプロセスを手伝って欲しいと連絡しました。

 

すると、

I truly wish there was something our office was able to do to assist you with this, but we are not able to request an expedite on your behalf. unfortunately USCIS is taking between 4-5 months to process OPT applications, this is longer than the anticipated 3 months, that is the reason we hold OPT workshops early in the semester and advise students to apply 90 days prior to graduation and even applying that early does not guarantee that the card will be received within 3 months.

https://www.uscis.gov/forms/how-make-expedite-request

As per the link above, USCIS only considers expedite requests for:

Severe financial loss to a company or person, provided that the need for urgent action is not the result of the petitioner’s or applicant’s failure to:
Urgent humanitarian reasons;
Compelling U.S. government interests (such as urgent cases for the Department of Defense or DHS, or other public safety or national security interests); or
Clear USCIS error.
It is very difficult to request an expedite based on financial hardship while holding F1 status. USCIS regulations on OPT state that the OPT is for the purpose of gaining practical experience in your field of studies. USCIS has also provided this guidance “F-1 students are required to establish that they have the financial ability to pay for their course of study and living expenses for the entire period of study as indicated on their I-20, thus they cannot claim financial hardship due to the very nature of their nonimmigrant status and maintenance thereof. In addition, an employment offer or start date does not qualify under USCIS's severe financial loss expedite criteria.”

 

こんなメールが返って来たのです。要するに学生はExpediteのリクエストできないし、4-5か月は待たなきゃ、という感じの内容です。

とはいえ、ネット上でEADカードを待つ留学生の中には100日前後でExpedite申請が受理された人もいたりして。。。本当に意味が分からなかったです。

しょうがなく、留学生オフィスから企業に向けて「私のEADカードが届くまでどうか待ってあげて下さい」、という内容の手紙を書いてもらい、企業に送りましたが、返信がありませんでした。

 

もう何をしても無駄なのかな、と半分諦めモードになっていましたが、企業がオファーをキャンセルする時は向こうから連絡が来るはずだ。返信が来ないということは、辛抱強く待っていてくれているはずだ、、、と都合よく解釈してカードをひたすら待っている日々でした。

 

4.EADカードが届く前日に企業からオファーを取り消される

そして、申請から118日目のある日に私のOPT case statusのサイトが「My Card is Being Produced」に変わったのです。これは、あと1週間ほどでカードが届くというサインなので、企業に急いで連絡をしました。カードが届いたらすぐにでも働き始めたいと連絡すると、人事から「現場と、あなたをインターンとして採用できるかどうか相談してから返信します」とメールがありました。「では、インターンの開始日を相談しましょう」とメールが来ることを期待していた私は、少し予想外なメールに不安になりました。

 

そして、その数日後に人事とエンジニア(私の上司になる予定だった人)からメールが来て、「もうあなたをインターンとして採用することはできないという結論になりました」と連絡が来ました。

インターンの期間は6月ー8月という約束で、あなたはもう数週間しか残ってないです。あなたのOPTのプロセスは時間がかかり過ぎだったので。とのこと。

どうか例外を認めてほしい、できる事は全てやったけどどうにもならなかったんです、という旨のメールを送りましたが、ダメでした。その後しばらく落ち込み、久しぶりに泣きました。

 

 

 

5.就活開始→3日後に米企業から正社員としてオファーをもらう

その夜、仕事を失った私はヤケクソになって就活を開始しました。前に少しでも選考が進んでいた企業の人事にもう1度チャンスが欲しいとメールをしたり、就活サイトから15社ほどに応募しました。

 

そして、まさにオファーを断られた翌日の朝、申請から125日目の朝にEADカードが手元に届いたのです。

 こんなにも待ち続けたEADカードでしたが、届いた時、私に仕事のオファーも何もない状態。ただの役立たずのプラスチックのカードです。

 私は「これで会社に掛け合うのは最後にしよう、返信がなかったらもうきっぱり諦めよう」と決めてカードのスキャンを会社に送り、「昨日オファーを断られたけど、今日カードが届いたから、もう一度考え直してほしい」と連絡しましたが返信はありませんでした。

 

その日の午後、なんと前の日に履歴書を送っていたうちの2社から電話面接をしたいと連絡がありました。そこで、前に就活した時に作成した何十ページもの面接ノートを引っ張り出してきて、面接の練習をしました。

 

次の日2社と立て続けに電話面接をしたところ、そのうちの1社からは良い反応があり、会って話がしたいと言われました。そして次の日にCEOと直接会って面接。CEOはとても話しやすい雰囲気でした。会社の紹介や仕事内容、福利厚生などについて一通り説明を受け、40分ほどリラックスした雰囲気の中談笑して採用が決まりました。

インターンではなくエントリーレベルの正社員としての採用なので、給料額も時給ではなく年俸で提示され、同意しました。

 

職種はEnergy Engineerです。ビルの設備や構造を分析して省エネルギー設備を提案するコンサルティングの仕事です。私はソフトウェアを使ってビルの分析をしたり、電力やエネルギー消費を計算したり、顧客へのレポート作成をする仕事をします。

前にオファーをもらっていたインターンでも同じような仕事内容でしたが、今度の会社は規模が小さい分、手掛ける仕事の範囲も広くなると思います。

私以外は全員アメリカ人で留学生はいないとのことだったので、きっと英語だって伸びるだろうし、きっと成長機会も大企業より多いはずだとプラスに捉えて頑張りたいです。勤務開始日が待ち遠しい!

 

6.おわりに

今回は人生最大のピンチから一気に成功に大逆転できたこの経験ですが、単に運が良かったからではないと思っています。

 

前に書いたように、私は大学院在学中に必死に就活をしており、そこでResumeやインタビューを最大限にブラッシュアップしていましたし、アメリカ人との面接ではどのような態度で臨むのがいいのかもトライ&エラーを繰り返してなんとなく体得していました。最初は続けに落とされていた電話面接も最終的は通過率は70%を超えていました

その経験があったからこそ、今回の電話面接でもうまく通過できたのだと確信しています。

 

あと、自分の努力ではどうにもならない理由でオファーを逃してしまったことでかなり落ち込みました。憧れだった企業で働けると楽しみにしていたこの2か月を全て無駄にしたような気がして、しばらくは悔しい感情が抑えられず泣きました。しかし、1時間ほど経ったら、「あ、この行為ってめちゃくちゃ無意味だ」と自分を外側から俯瞰するような感覚になったんです。

なぜかは分からないのですが、幸い私は落ち込んで何もしないことが人生でどんなに無意味なことかを知っていました。

バットを振り続けて、たまに1回のホームランを打つような人生を送ってきたとも言えます。だからバットを振るのを止めてしまったらホームランを打つ可能性は0%です。しかし下手くそながらもバットを振り続けていれば、中途半端なヒットがあったり、たまに満点といえるほどのホームランを打つこともできます。

 とまぁ、そういう負けず嫌いな性格が功を奏して、すぐに全力を尽くして就活を再開したことで、最小限の努力で最大限の結果を得ることができました。

 

 

 

7.反省

今までの出来事を時系列順にまとめてみました。

これを見ると、「ああ、ここで企業の人事とこういう風に話をしていれば・・・」とか「2月中にOPTの応募書類を出していれば・・・」とか色々後悔はありますが、その時にできることは全てやったと思うし、もう次に進もうと思います。

 

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 それでは!